fc2ブログ
  JET日本語学校公式ホームページ(to Official Page) / ブログのトップページ(to Blog Top Page)

Google Translate:  한국어로 표시 /  中國語翻驛 /  Translate to English

進学座談会 2007

 2007年5月、3回のシリーズで卒業生を迎えて進学座談会を開きました。進学科の学生たちは立派な先輩たちの体験談を聞き、大いに刺激を受けたようです。


 1回目の7日は、日本語および文系科目の勉強法がテーマ。李玟杰さん(韓国・07卒・慶応義塾大学経済学部経済学科1年)、姜勇求さん(韓国・07卒・早稲田大学基幹理工学部1年)、チョンラダー・コータルチャイ(ニン)さん(タイ・06卒・麗澤大学外国語学部日本語学科2年)を迎えました。

 2回目は10日、姜勇求さん(韓国・07卒・早稲田大学基幹理工学部1年)とワーサナー・パエティタ(トゥッター)さん(タイ・06卒・国立千葉大学園芸学部2年)を迎え、理数系科目の勉強法を中心に話を聞きました。

 3回目は25日、呂海茜さん(台湾・05卒・早稲田大学大学院日本語教育研究科修士2年)、金泰秀さん(韓国・06卒・中央大学大学院商学研究科修士1年)、陳奕穎さん(台湾・06卒・慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士1年)の3人から、大学院受験についてのアドバイスを受けました。


 以下、その一部を掲載します。司会進行は野口先生。
【日本語の勉強全般について】

 私は日本に来てからまだ2年も経ってないんです。私は平仮名だけ1週間勉強して日本へ来ました。Iクラスで平仮名から勉強しました。(でも、一橋大学商学部にも合格できました。)一番大切なことは、頭の中でも日本語だけを使うこと。自分の国の言葉で考えてから日本語を話すのではなく、初めから日本語で考えるんです。電車の中で綺麗な人、格好いい人を見たら、「綺麗だなぁ」と自分の国の言葉で思うんですよね。それを日本語でしてください。二番目に大切なことは、日本語をたくさん話すこと。いくら頭が悪い人でも自分の国の言葉は話せます。日本語もたくさん話せば話せるようになります。

 私がした方法はNHKラジオを聞くことです。それはWEB上で、色々なスピードで日本語を聞けるようになっています。NHKの発音は一つ一つきちんとしているし、聞いて知らない単語があったら、その場でWEB上にある辞書で調べることができます。それから、学校で勉強したことをちゃんと復習すること。これが一番大切なことだと思います。JETで一日に教わることはとても多いですから、それを全部消化するだけでもいいと思います。新聞を読みたいなどは、復習が全部できてからでいいです。私は17時半まで学校に残って、その日にもらったプリントを復習しました。これが最も役に立ったと思います。それから19時頃、ご飯を作ったり食べたりしながら、意味が分からなくても、NHKのニュースを聞き流しました。やっぱり、たくさん聞いたり読んだりすることが大切だと思います。初めは全然分かりませんでした。「こんばんは。7時のニュースです」しか分からなかったんです。でも毎日聞いていると少しずつ分かるようになります。学校で勉強したことが今日のニュースにそのまま出てきた時、本当に嬉しかったです。全然分からなかったことが少し分かるようになる。ちょっとだけでも分かるようになったら、それが本当に嬉しいですから、また続ける力になります。

 私は難しいことはしなかったんですが、自分が好きなことを通じて日本語を勉強しました。例えば、私はおしゃべりしたり、カラオケに行ったりすることが好きなんですが、カラオケに行くと難しい漢字もあるじゃないですか。でもその漢字には振り仮名が付いているので、それを少しずつ覚えました。私はニュースがあまり好きじゃないので、お笑いやドラマを見ました。ドラマは日常会話で使う言葉が多いじゃないですか。ドラマじゃなくても、クレヨンしんちゃんとかアニメでもいい。漫画も字が見えるので、辞書が引けるし、いいじゃないですか。



【理科や数学の勉強について】

 目標の大学を決めて、それに合わせて計画を立てました。早稲田は6月のEJUでは日本語の成績だけを見ますから、数学や理科の勉強が不要です。慶応や国立大も11月のEJUの成績を提出すればいいので、6月のEJUのためには日本語の勉強に集中しました。EJU後の2ヶ月間は早稲田の過去問を手に入れて、それに合わせて数学や理科を勉強しました。9月に早稲田の入試が終わってからはクラス内の理工系進学希望者を集めて、EJUの過去問題をしました。

 初めは自分は何を勉強したいかはっきりわからずすごく悩んだんですが、4月に園芸を勉強しようと決めました。勉強したいことが決まったら、化学と生物が必要だと分かりました。そして4~6月は先生にもらったEJUの過去問を解きました。6月のEJUの結果を見て自分の足りない部分が分かったので、友達や先生に色々聞いてその弱点をしっかり勉強して、11月のEJUに備えました。7~8月、私立大学のオープンキャンパスへ行きました。大学の先生の話を聞いたり、疑問を質問したりして、自分にぴったりな大学かどうか見ました。11月のEJU後、3月に国立大学の受験があるので、いろいろなところへ遠くまで行きました。どんな学部があるのかなど、先輩に話を聞いたりもしました。大切なことはその大学で何を教えているか。自分にぴったりな大学を早く見つけるのがいいです。



【研究計画書について】

 私は大学時代に学んだことを全部捨ててまで商学科へ行こうとは思いませんでした。大学で勉強したことをどういうふうに商学研究科で活かせるのか、それを考えることが研究計画書を書く上で役に立ちました。その方が大学の先生にも評価されます。まず目標をたてて、自分がこれまで何をしてきたか、大学で何を学びたいのか、卒業後何をやっていきたいのか、その3つを考えることが大切だと思います。自分の話をすると、学部では芸術とかデザインを見てきました。マクドナルドの製品を買う時、どんなコップを選ぶか。それはどうしてか。「大きいから」「かわいいから」色々な理由がある。だから私は「"マーケティングにおいてデザインがどういうふうに関わっているか"をテーマにしたい」と大学の先生に話したんですが、「それは面白いんじゃないか」「他にそれを研究している事例がない」と評価を頂けました。みんながやっていることをやるのは面白くないし、評価も頂けません。学問は1つだけでは成り立たない。自分が勉強してきたこととこれからやることをどう混ぜ合わせるか。それが研究テーマを考える一歩だと思います。

 研究計画書を書く前に、皆さんに自分がしたい研究をもう一度考えて頂きたいと思うんですね。大きな目的、志望動機、なぜその研究をしたいのか。その問題意識を考えて欲しいんです。その研究をしたいと思うのは必ず問題意識があるから。その問題意識はどこから来たのか。はっきり分かりやすい言葉で説明できるように、自分の中でもう一度考えて欲しい。


 どうすれば研究テーマが発見できますか?

 日本語教育に関する論文集みたいなものがありまして、そのテーマと趣旨くらいは読んでみる。初めは何が研究テーマになるかも全然分からないが、論文集を見るとどんなものが研究テーマになるかがわかるようになる。この人がやっていることは面白いがまだ検討する余地があるとか、結構いい研究だけどまだ考慮が不充分なところがあるとか。読んでいる内に、段々色んな問題も出てくると思います。また、卒業生の論文のテーマがホームページによく載せられているので、自分の関心があるものを見るといいのでは。大学院の先生方の分野や著書も見てみたらいいのではないかと思います。

 大学と大学院で同じ分野を専攻するなら、同じ問題意識を持てるでしょう。でも私は学部では社会福祉を勉強し、日本に来てからは商学研究科を目指そうと思ったので、どんな研究をしようか全然思い付かなかったです。とりあえず、書類や研究論文をたくさん読みました。「質より量」が大切だと思います。論文の内容は読まなくてもテーマや文の初めと最後くらい読んだり、図書館とかインターネットで調べたりしている内に、他の人が研究したことの中に自分の興味のあるものが見えるようになることがあります。そして段々自分が何を研究したいか分かるようになります。一つの問題意識を持ってからも、他の人と交流して「どう思いますか」と尋ねてみたり、先生達に相談してみたり。色々な方法をしている内に、やりたいことが段々見えるようになるから、私、そういうふうに研究計画書を作りました。

(JET通信52号 2007/08/17)

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カテゴリ
カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
プロフィール

JET Academy

Author:JET Academy
JET日本語学校公式ページへ

 東京都知事から学校法人の認可を受けている「正式な学校」です。文部科学大臣指定の準備教育機関校でもあり、大学や大学院進学希望者のための特別コース(進学科)もあります。進学校として高い評価を受けています。
 課外授業やホームステイなど、日本体験プログラムも数多く用意。明治大学を中心とした日本人大学生との交流も盛んです。

最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード