男への道
「2012 JET日本語学校 スピーチコンテスト 敢闘賞」
Kantiua Weerayut(Thailand)
人間は生まれてから死ぬまでの間で、大学の卒業式や結婚式など、生活の中で大切なことがあります。しかし、仏教を信じているタイ人にとって結婚式と同じくらい大切なイベントが他にもあります。それは出家です。出家することは最大の良い行いであり、自分の息子を出家させることは家族にとっても良い行いを積んだことになります。また、タイの社会では男子は出家して初めて一人前として認められるのです。そのため、結婚前に親孝行の意味も含め、1~2週間程度一時出家をする人もいます。
お坊さんになる前に、「どうしてお坊さんになるのか」というクラスメイトの質問に対して、私はタイ人なのに答えられませんでした。その上、お坊さんの日常生活と一般の人々の生活は全く違うので、私にその2週間の生活が我慢できるかどうか心配でいっぱいでした。
タイの仏教では227のルールが決められており、僧侶たちはこのルールを守る生活と修行をしています。お坊さんの生活は朝4時に起きて、ボウルみたいな容器を持ち、お寺の周りに住んでいる人に料理をもらうところから始まります。服は普通の服ではなく、長いオレンジの布で体を巻き、パンツをはくことは禁止です。私は1日2回しかない食事やお坊さんの服は大丈夫だと思いましたが、生まれてからずっとパンツをはいているので、なんかおかしな感じがしました。スカートのような服に全然慣れていな私は、歩いたり、動いたりするときに女性っぽい感じがして困ってしまいました。
また、道路であちこちにいる大きな犬を避けることがもう一つ大変なことでした。絶対に守らなければならないお坊さんの227のルールの中に、走ることと動物をいじめることは絶対にだめなことでした。私に向かって恐ろしい声でほえる犬を前に私はどうしていいいかとても悩みました。仕方なく、私はやさしいお坊さんの眼で犬をじっと見て、自転車ほどのスピードで歩きました。
タイでよく目にするのが「ワイ」という行為です。これは、相手に対して手を合わせ、頭を下げる行為です。基本的に目下の人から目上の人であるお坊さんに対してするものと決まっています。年齢や社会のレベルに関係がなく、自分の両親や国王でもお坊さんを見たら、必ず「ワイ」をします。私は決して立派な生活をしているとは言えないので、「ワイ」で敬意を払ってもらうたびに、嬉しいですが、自分の以前のよくない行動を思い出しました。
ブッダの考えである227のルールの精神は、罰することではなく、より立派な人間になるための努力、目標、生き方を示すことにあるのだと思います。なぜなら、タイ人がお坊さんに敬意を払わなければならないのは、お坊さんが227の戒律を厳しく守るからです。
お坊さんが誰からも尊敬される理由は227のルールの良いことをやり、よい行為をするからです。また、2週間に朝起きて、瞑想をして、掃除をして、ご飯を食べて、瞑想して、ご飯を食べて、また瞑想することを繰り返しても、私はそれが楽しくて楽しくてしかたなかったです。どうして楽しかったのか、自分でも良く分かりませんが、はっきり分かった事がひとつだけあります。瞑想には不思議な力があります。そして、その力は瞑想中だけでなく、日常生活にも作用してきます。私の性格、考え方、行動は日を重ねるごとに変化してきました。心が穏やかになり、前向きな性格になり、規律正しい生活を送ることを学びました。
皆さん、私は皆さんにお坊さんになってほしいと思っているわけではありません。時には一度ゆっくり立ち止まって、今やっていること1つ1つに意識を持つことが必要だと思います。皆さん、ぜひ一度これを試してみてください。
Kantiua Weerayut(Thailand)
人間は生まれてから死ぬまでの間で、大学の卒業式や結婚式など、生活の中で大切なことがあります。しかし、仏教を信じているタイ人にとって結婚式と同じくらい大切なイベントが他にもあります。それは出家です。出家することは最大の良い行いであり、自分の息子を出家させることは家族にとっても良い行いを積んだことになります。また、タイの社会では男子は出家して初めて一人前として認められるのです。そのため、結婚前に親孝行の意味も含め、1~2週間程度一時出家をする人もいます。
お坊さんになる前に、「どうしてお坊さんになるのか」というクラスメイトの質問に対して、私はタイ人なのに答えられませんでした。その上、お坊さんの日常生活と一般の人々の生活は全く違うので、私にその2週間の生活が我慢できるかどうか心配でいっぱいでした。
タイの仏教では227のルールが決められており、僧侶たちはこのルールを守る生活と修行をしています。お坊さんの生活は朝4時に起きて、ボウルみたいな容器を持ち、お寺の周りに住んでいる人に料理をもらうところから始まります。服は普通の服ではなく、長いオレンジの布で体を巻き、パンツをはくことは禁止です。私は1日2回しかない食事やお坊さんの服は大丈夫だと思いましたが、生まれてからずっとパンツをはいているので、なんかおかしな感じがしました。スカートのような服に全然慣れていな私は、歩いたり、動いたりするときに女性っぽい感じがして困ってしまいました。
また、道路であちこちにいる大きな犬を避けることがもう一つ大変なことでした。絶対に守らなければならないお坊さんの227のルールの中に、走ることと動物をいじめることは絶対にだめなことでした。私に向かって恐ろしい声でほえる犬を前に私はどうしていいいかとても悩みました。仕方なく、私はやさしいお坊さんの眼で犬をじっと見て、自転車ほどのスピードで歩きました。
タイでよく目にするのが「ワイ」という行為です。これは、相手に対して手を合わせ、頭を下げる行為です。基本的に目下の人から目上の人であるお坊さんに対してするものと決まっています。年齢や社会のレベルに関係がなく、自分の両親や国王でもお坊さんを見たら、必ず「ワイ」をします。私は決して立派な生活をしているとは言えないので、「ワイ」で敬意を払ってもらうたびに、嬉しいですが、自分の以前のよくない行動を思い出しました。
ブッダの考えである227のルールの精神は、罰することではなく、より立派な人間になるための努力、目標、生き方を示すことにあるのだと思います。なぜなら、タイ人がお坊さんに敬意を払わなければならないのは、お坊さんが227の戒律を厳しく守るからです。
お坊さんが誰からも尊敬される理由は227のルールの良いことをやり、よい行為をするからです。また、2週間に朝起きて、瞑想をして、掃除をして、ご飯を食べて、瞑想して、ご飯を食べて、また瞑想することを繰り返しても、私はそれが楽しくて楽しくてしかたなかったです。どうして楽しかったのか、自分でも良く分かりませんが、はっきり分かった事がひとつだけあります。瞑想には不思議な力があります。そして、その力は瞑想中だけでなく、日常生活にも作用してきます。私の性格、考え方、行動は日を重ねるごとに変化してきました。心が穏やかになり、前向きな性格になり、規律正しい生活を送ることを学びました。
皆さん、私は皆さんにお坊さんになってほしいと思っているわけではありません。時には一度ゆっくり立ち止まって、今やっていること1つ1つに意識を持つことが必要だと思います。皆さん、ぜひ一度これを試してみてください。