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N1合格までの道

今年の3月に卒業したナターシャさんの作文です。
彼女は2012年の4月に入学し、「あいうえお」から勉強を始め、最終的にはJLPTのN1に合格しました。
この作文はJET通信74号に掲載されています。


「N1合格までの道」 ナターシャ・イマン ( マレーシア )

「あいうえお」からの出発
JETに入学したのは2012年の春だった。日本語を話せなかった訳でもないが、長い会話をするのがすごく大変だった。聞き取れない事も多く、言いたい事も伝わらなかった。JETの初めてのクラス分けテストで私は一番下のFクラスに入り、ひらがなの「あ・い・う・え・お」から勉強をやりなおした。

会話を盗み聞き
Fクラスに入ってから日本語能力試験(JLPT)のN4級を受けることにした。試験までわずか3ヶ月間しかなかったが、なんとかして日本語力をのばしたかった。いったん韓流ドラマや米国のドラマを見るのを止め、日本の番組やドラマを見るようにしていた。家では毎日せめて一時間くらいテレビ番組やドラマを見た。それに、レストランで注文さえ出来なかった私が会話力をアップするために、様々な事を工夫した。一人で外食したときに、周りの日本人の会話を盗み聞きした記憶がある。日本人はどの表現を利用して注文するかなどを意識しながら聞いたのだ。現実のシャドーイングのように聞いた言葉を、実際に店員さんや学校の先生方に使ってみた。7月のJLPTのN4合格通知書が届いた。

小学生向けの本を読む
次の学期で私は中級のクラスに入り、またJLPTを目標としてN3の試験を受けた。その時新しいクラスメート達が専門学校への進学を希望していたため、ほとんどの人が一所懸命N2レベルの試験を受けた。やはり私にとってN3のレベルでも知らないことが多く、基礎を固めてから次のレベルへ上がりたかった。中級に入ってから特に記憶に残る悔しい思い出がある。N2対策として初めて様々な読解練習問題が出された。一番下の漢字クラスにいたため、読める漢字がほとんどなく、漢字圏のクラスメートに嫉妬を感じた。そこで私が古本店で日本の小学生向けの本を20冊くらい購入し、毎日一冊を読み切った。

漢字を頭に詰め込む
2013年3月、日本語の基礎科から卒業し、帰国せずに私は春休みを学校で過ごしていた。その頃、進学科に入るまでにN2のレベルを目指し、毎日学校で練習問題や模擬試験を受けたりした。N2の勉強が進むにつれて、中級のクラスで学んだ漢字が書けないことに気がついた。そこで、練習問題や模擬試験で出てきた漢字の読み方や知らない言葉の意味を、電子辞書で調べるようにした。調べた言葉をノートに写し、操り返しながら漢字や新しい語彙を頭につめ込んだ。ようやくN2の模擬試験に合格ができ、N3までの漢字も書けるようになったのだ。

ついにN1合格
春休みが終わってから、新学期初日に進学科の学生達が初めての日本留学試験(EJU)の模擬試験を受けた。そこで私は慌てしまい20問のなかで6問しか解けなかった覚えがある。速読力がまだ身についていなかった私が、その模擬試験の結果からかなりのショックを受けた。じっくりと自己分析をした末、また漢字の勉強に力を入れないと、と思った。6月まで上から2番目の漢字クラスに入っていたが、やはりこのままだと早稲田大学を受けるのに無理があると思った。そこで毎日学校で配られた新聞の記事や「天声人語」を写し、漢字の読み方などを調べるようにした。それに政治に関する教科書や福沢諭吉の『学問のすゝめ』をはじめ、村上春樹のエッセイなどを読んだ。自分の実力よりもうちょっと難しい本を選ぶのを心掛け、苦労しながら20冊程度の本を購入し読み続けた。知らないうちに、だんだんN1の文章も読めるようになって来て、無事に139点を取って合格した。忙しい受験勉強の中で、N1の勉強は辛かったがEJUの対策はしっかりと学校で終わらせた。家では小説を読み、配られた文法プリントなどを利用し、N1の勉強に熱中した。

大学生との交流会で会話に自信
JETに通っていた間に特に面白く感じたのは、教科書では勉強できないことをたくさん教わったことだった。授業では日本の生活や誰でも知っている本、音楽などの紹介がよくあった。それを学ぶことによって、日本人との共感のエリアができ、コミュニケーションのやり取りがうまくなった。それに、学校で行われた大学生との交流会を通じて、会話力に自信がついて来たのだ。学外の日本人と話す前に、交流会が練習の場になっていたので、安心して日本語の授業で学習したことを実際に活用することができた。

母国語を一旦頭から消す
よく考えてみると、やはり母国語を一旦頭から消すことが大事に違いない。母国語を頭から消すコツとして、日本語で話し日本語で考える習慣を付けることだと思う。周りに日本語で話をしてくれる人を増やし、頭で考えていることを全て意識しながら日本語で考えることがポイントだ。最初は頭にあることを日本語に入れ替えるのは大変難しいことだが、初級のときから意識しながら練習を続ければ日本語の上達につながるのだ。

毎日、日本語で!
日本にいるからこそ、毎日日本語で話し日本語で読み物を読むことが大切だと思う。最初、母国語を頭から消すのは決して簡単なことではないが、JLPTに合格したり自分の成長を実感すると達成感を感じられる。それによって私は2年間ずっと日本語の学習を頑張り続けられたのだと思う。

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