進学座談会 2008
大学に進学した先輩を迎え、5月8日と9日、進学クラスで座談会が開かれました。今回貴重な体験談を披露してくれたのは、姜勇求さん、李承赫さん、洪禎我さん、楊朝安さんの4人。先輩たちは、自分の日本語の勉強法や受験の心構えなどについて、熱く語ってくれました。
☆李承赫さん(韓国・一橋大学経済学部1年)の話
EJUの対策では、過去問など20冊、全部買いました。そして全部勉強しました。やれることはとにかく全部やりました。大学へ行って願書も手に入れたし、夏休みの前までに勉強したものを、何回も復習することが大切だと思います。
漢字の勉強については、本をたくさん買う必要はなく、1冊買ってそれを完璧に繰り返すほうがいい。私は日本へ来た時、「東」や「西」という漢字さえわからなかった。ですから、辞書をいつも携帯して、電車の中でも何か疑問に思ったらすぐ調べるようにしていました。
私は日本語の勉強を、「勉強」と思うことをやめて、「習慣」のひとつにしました。勉強は嫌な時はしないんですよね。でも習慣だったら嫌でもしますよね。日本語は言語だから、毎日普通に使うものであって、教養知識として詰め込むものではない。これは一つの習慣なんです。
☆姜勇求さん(韓国・早稲田大学基幹理工学部情報理工学科2年)の話
入試は戦略が一番重要。どの時期どうやって何を勉強するか、それをひたすら考えると、知らないうちに答えに近付いています。まず、自分が行きたい大学を探す。その大学が自分に要求しているものを調べる。
私はまず2月頃、大学を見に行きました。留学センターへ行って、「私費留学をしようと思っている」と言えば、資料をくれます。その場に行った人だけがもらえる過去問もあります。入試問題の傾向が分かるし、センターの人に「私は○○が弱いんですが、大丈夫ですか?」など軽く尋ねることができます。「理系なら○○の点が低くても大丈夫ですよ」など、なにかしら良い情報がもらえます。私はその頃、日本語の勉強はまだ1ヵ月くらいでうまく話せませんでしたが、なんとか伝えたいと思って努力していたら、相手の方からその態度を見て、いろいろ話してくれました。東京大学は1時間以上も相談に乗ってくれました。
6月のEJUまでは日本語をたくさん勉強しました。EJUの後、数学や化学や英語の勉強を始めました。早稲田の独自試験は9月上旬なので、それまで数学や化学や英語を勉強しました。その後、10月上旬にある面接の試験までは、うまく話せるように日本語の勉強だけしました。11月のEJUは数学や理科も必要なので、過去問を全て解いて、試験に臨みました。国立試験など他の大学の対策は、11月のEJUの後で頑張ればいいです。
漢字の勉強については、自分で単語帳を買ったりはしませんでした。JETで配られた資料を使って勉強するようにしました。読めるけど書けない単語もいっぱいあったし、自分で単語帳を作って、繰り返し見るようにしていました。EJUで苦労したのは読解で時間が足りなかったこと。毎日時間を計りながら、20問を時間通りに解けるかどうか確かめながら勉強しました。
それから、面接は大切です。面接の時、大学の先生に「おまえ、成績もそんなによくないし、物理も全然だめだ。なんで早稲田に願書を出したの?」と言われたんです。その時、「わずか8ヶ月だけど、早稲田に入るためにこんなことをした。他の人が1年かかるかもしれないことを、自分は8ヶ月でここまで身につけた。これでダメでも後悔はないです」と自分がやってきたことを話しました。私は面接で成功したから入学できたんじゃないかと思います。そして面接に成功したのは、その前の過程があったからだと思います。
☆洪禎我さん(韓国・立教大学経営学部1年)の話
私はTVや音楽が好きで、毎日聞くようにしていました。聴解と聴読解の勉強に良かったと思います。EJUでは聴解や聴読解の試験は満点だった… と自分では思っています。
人に勧められた方法を嫌々やるのはよくないです。自分に合う勉強方法があるはずなので、自分に合う方法を探すのが一番です。
それから、英語は絶対に捨てないでください。夏休みは国に帰らないでください。できれば学校へ来るようにしてください。家では絶対勉強ができないと思うし、学校へ来たら冷房もあるし。
入りたい大学が決まったら、大学のオープンキャンパスに参加してください。実際の授業を聞いたら、頑張ろうという気持ちが起こります。
やる気をなくしたときは、自分が好きなことをします。好きなことでも全部日本語ですから。今携帯で映画が見られるんですけど、普通のTVでは出ない日本語の字幕が携帯では出るんですよ。TVで映画を見ながら、携帯で日本語を確認したり。これが聴読解の勉強に役に立ったんじゃないかと思いました。
☆楊朝安さん(台湾・日本大学経済学部産業経営学科1年)の話
4月は自分が好きな本を探していました。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』などを読みました。長い文に慣れるように、読解には本を読むのが大切です。読売新聞のサイトからダウンロードしたものをiPodで聞いたりもしていました。最初はわからなくても何度も聞き返していると、なんとなくわかるようになります。
6月のEJU試験を受けると、自分の弱いところが見つかると思います。自分は聴解や読解が弱かったんですが、何と言っても本を読むことが大切だと思います。何回も読めば、なんとなく理解できるようになると思います。
私は月曜日から土曜日までの「ワールドビジネスサテライト」(12ch) を毎日1時間見ています。いろんなニュースを聞くと面接にも役に立つし、日本のビジネスの流れもよく分かるし、いいと思います。
野口先生からひとこと…
楊さんはクラスが始まった時、クラスで一番下でした。4月から7月まで、いい点が出なかったんですよ。でも自分の勉強を毎日休まずしていました。こんなに努力する人はそんなにいない。飲み会へ行っても必ずそのあと勉強をする人だったんです。そして、9月、10月になってとても伸びたんです。結果が出なくても努力を続けた。だから結果が出ました。
(JET通信54号 2008/05/14)
☆李承赫さん(韓国・一橋大学経済学部1年)の話
EJUの対策では、過去問など20冊、全部買いました。そして全部勉強しました。やれることはとにかく全部やりました。大学へ行って願書も手に入れたし、夏休みの前までに勉強したものを、何回も復習することが大切だと思います。
漢字の勉強については、本をたくさん買う必要はなく、1冊買ってそれを完璧に繰り返すほうがいい。私は日本へ来た時、「東」や「西」という漢字さえわからなかった。ですから、辞書をいつも携帯して、電車の中でも何か疑問に思ったらすぐ調べるようにしていました。
私は日本語の勉強を、「勉強」と思うことをやめて、「習慣」のひとつにしました。勉強は嫌な時はしないんですよね。でも習慣だったら嫌でもしますよね。日本語は言語だから、毎日普通に使うものであって、教養知識として詰め込むものではない。これは一つの習慣なんです。
☆姜勇求さん(韓国・早稲田大学基幹理工学部情報理工学科2年)の話
入試は戦略が一番重要。どの時期どうやって何を勉強するか、それをひたすら考えると、知らないうちに答えに近付いています。まず、自分が行きたい大学を探す。その大学が自分に要求しているものを調べる。
私はまず2月頃、大学を見に行きました。留学センターへ行って、「私費留学をしようと思っている」と言えば、資料をくれます。その場に行った人だけがもらえる過去問もあります。入試問題の傾向が分かるし、センターの人に「私は○○が弱いんですが、大丈夫ですか?」など軽く尋ねることができます。「理系なら○○の点が低くても大丈夫ですよ」など、なにかしら良い情報がもらえます。私はその頃、日本語の勉強はまだ1ヵ月くらいでうまく話せませんでしたが、なんとか伝えたいと思って努力していたら、相手の方からその態度を見て、いろいろ話してくれました。東京大学は1時間以上も相談に乗ってくれました。
6月のEJUまでは日本語をたくさん勉強しました。EJUの後、数学や化学や英語の勉強を始めました。早稲田の独自試験は9月上旬なので、それまで数学や化学や英語を勉強しました。その後、10月上旬にある面接の試験までは、うまく話せるように日本語の勉強だけしました。11月のEJUは数学や理科も必要なので、過去問を全て解いて、試験に臨みました。国立試験など他の大学の対策は、11月のEJUの後で頑張ればいいです。
漢字の勉強については、自分で単語帳を買ったりはしませんでした。JETで配られた資料を使って勉強するようにしました。読めるけど書けない単語もいっぱいあったし、自分で単語帳を作って、繰り返し見るようにしていました。EJUで苦労したのは読解で時間が足りなかったこと。毎日時間を計りながら、20問を時間通りに解けるかどうか確かめながら勉強しました。
それから、面接は大切です。面接の時、大学の先生に「おまえ、成績もそんなによくないし、物理も全然だめだ。なんで早稲田に願書を出したの?」と言われたんです。その時、「わずか8ヶ月だけど、早稲田に入るためにこんなことをした。他の人が1年かかるかもしれないことを、自分は8ヶ月でここまで身につけた。これでダメでも後悔はないです」と自分がやってきたことを話しました。私は面接で成功したから入学できたんじゃないかと思います。そして面接に成功したのは、その前の過程があったからだと思います。
☆洪禎我さん(韓国・立教大学経営学部1年)の話
私はTVや音楽が好きで、毎日聞くようにしていました。聴解と聴読解の勉強に良かったと思います。EJUでは聴解や聴読解の試験は満点だった… と自分では思っています。
人に勧められた方法を嫌々やるのはよくないです。自分に合う勉強方法があるはずなので、自分に合う方法を探すのが一番です。
それから、英語は絶対に捨てないでください。夏休みは国に帰らないでください。できれば学校へ来るようにしてください。家では絶対勉強ができないと思うし、学校へ来たら冷房もあるし。
入りたい大学が決まったら、大学のオープンキャンパスに参加してください。実際の授業を聞いたら、頑張ろうという気持ちが起こります。
やる気をなくしたときは、自分が好きなことをします。好きなことでも全部日本語ですから。今携帯で映画が見られるんですけど、普通のTVでは出ない日本語の字幕が携帯では出るんですよ。TVで映画を見ながら、携帯で日本語を確認したり。これが聴読解の勉強に役に立ったんじゃないかと思いました。
☆楊朝安さん(台湾・日本大学経済学部産業経営学科1年)の話
4月は自分が好きな本を探していました。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』などを読みました。長い文に慣れるように、読解には本を読むのが大切です。読売新聞のサイトからダウンロードしたものをiPodで聞いたりもしていました。最初はわからなくても何度も聞き返していると、なんとなくわかるようになります。
6月のEJU試験を受けると、自分の弱いところが見つかると思います。自分は聴解や読解が弱かったんですが、何と言っても本を読むことが大切だと思います。何回も読めば、なんとなく理解できるようになると思います。
私は月曜日から土曜日までの「ワールドビジネスサテライト」(12ch) を毎日1時間見ています。いろんなニュースを聞くと面接にも役に立つし、日本のビジネスの流れもよく分かるし、いいと思います。
野口先生からひとこと…
楊さんはクラスが始まった時、クラスで一番下でした。4月から7月まで、いい点が出なかったんですよ。でも自分の勉強を毎日休まずしていました。こんなに努力する人はそんなにいない。飲み会へ行っても必ずそのあと勉強をする人だったんです。そして、9月、10月になってとても伸びたんです。結果が出なくても努力を続けた。だから結果が出ました。
(JET通信54号 2008/05/14)